RECONQUISTA-レコンキスタ-稽古日誌⑩「最終兵器、到着!」
こんばんは、作・演出のチュースキーです。
舞台『レコンキスタ』は本番が終わってしまいましたが、
「あの時どうだったかな?」ともしかしたら思い返すことがあるかも知れないと思い、この稽古日誌を書いております。
「あー、そんなことがあったんだー」と懐かしんで読んでいただけたら幸いです。
今日書くのは2月の終わりの稽古の様子です。
この日は自主練習の日。稽古場に集まったのは蔵原さん、森川さん、佐々木さんの3人。
本番をご覧になった方はお分かりでしょうが、今回演出で大量の積み木を使いました。
色々な場面や時代を描くのに、この積み木を組み合わせて表現しようという試みです。
全部で、14パーツからなるこのマテリアル。
「斬新で、独創的な作品を作る」が合言葉のSideB作品の要になる舞台装置でもあります。
この積み木、まず私が演出イメージを森川さんに伝え、森川さんがパーツをデザインして
広島にある「ガイア・コーポレーション」という会社に発注し凄腕の職人さんに作っていただきました。
広島で製造されたため、車で東京まで運んでいただくことに。まさにMade in hiroshimaです。
積み木を使うことになったのはいいのですが? 「これ、稽古場にどうやって搬入するんだ?」問題が浮上。
その解決方法として我々は車を購入することになりました。BRFが車両を持つきっかけになったのが
このレコンキスタ、そしてこの積み木です。今回購入した車両を私は「レコンキスタ号」と呼んでます。
そんな経緯の積み木でしたが、実際に現物が届くまでは「重さはどの位だろう? どこまで人力で積み重ねできるだろう? 女性は持てるだろうか?」等々
見当がつかず各シーンについては「とりあえず、この辺りに大量の積み木がある体で動いてください」とざっとミザンスを付けていました。
そしてとうとう稽古場に積み木がやってきました。
これもまた裏話があって、以前「さて、この積み木を使ってどんなセットを作っていこうかな」と思案していた時に、偶然、蔵原さんの台本を覗き見ました。
彼の台本には、なんと積み木を使った「交換所のカウンター予想図」のデザインが書かれているではありませんか!
私は直感で、「積み木のレイアウトは蔵原さんに相談しよう!」と思い立ちました。
これから勝手に私の心の中では蔵原さんを「積み木隊長」と呼んでいました。
以来、蔵原さんと「このシーンは大陸がキーワードだからシンボリックにしたいですよねー」「ここは王座を象徴的にしたいですよね」などと
相談を重ねて、実際にこの日に来た積み木で何ができるかを試すことに。
ついに稽古場に到着した積み木。その存在感は予想以上でした!
沢山あるシーンごとに積み木の位置が変わります。それを整理するためにミニチュアを作成。
このように写真に収めてみんなで位置を覚えました。この作業はホントに大変でした。
実際に、積み木をいじってみる蔵原さん。色んなイマジネーションが沸いてきます。
ミニチュアを使って各シーンごとの積み木の配置を作って行きます。
休憩中には、衣装チェック。ヨシヤとマナの衣装を相性を確かめています。
何かを佐々木さんに託した蔵原さん。以降、佐々木さんは積み木職人として活躍することに……
何故、こうなったのかわかりません。おそらく、稽古場で捕獲された宇宙人です。
ということで、約8時間ほど延々と積み木の配置を作った一日でした。
これが本番でどういう使い方をされたのか、まだご覧になっていない方はこれから発売になる
DVDで是非確認してみてくださいね!